言語聴覚士 奥住啓祐

言語聴覚士のための STセミナー講師

アセスメントの階層性①

 

言語聴覚士の奥住啓祐です。

現在ある認定をとるためにレポートを頑張っています。

 

私が機能性構音障害を抱えてた事についてのブログですが

 言語聴覚士の悩み→私自身の悩み→そして今がある - 言語聴覚士 奥住啓祐

 とても多くの方に読んで頂きありがとうございます。

急にアクセス数が跳ね上がったので驚きました。

 

noteというサイトでも「tabehanaラジオ」という事で食べること、話すことについて配信していますが、「話しにくさをのりこえて」という第一回目の音声配信でも機能性構音障害について私がお話しています。こちらも沢山の方に聞いて頂けており嬉しいです♪

note.mu

 

 

記事の後半では

 

少しでも楽に目標達成するには

問題に対して影響を与えている因子を

きちんと把握する事が大切

 

という事を書きました。

例えば「ら行」の発音が苦手だった私にとって、きつい事といえば

 

出来ない事をすること。

 

 

どういうことかというと、

 

音読などひたすら発音練習をすること

(とても大事なことなのですが)

 

 

ただ、もし私の舌が本来持っている機能を最大限に発揮できていない可能性があったら

 

先に影響因子をみつけ、

原因を解決していく事と並行し

 

発音の練習をする方が目標達成への近道だと考えます。

 

 

要するに「○○をしたら大丈夫」というような、ネット上などに溢れている手段を選ぶ前に、

 

一見同じような発音や飲みこみの問題であっても、人によって影響因子は様々なので、しっかり原因分析をしましょうということです。

 

 

それでは舌の本来持っている機能を掘り下げましょう。

 

構音機能、嚥下機能ともに大きな役割を担う舌もあたり前ですが筋肉です。

 

舌に限らず、筋の機能には

筋力・巧緻性、収縮スピードなどがあり、

 

舌においても何らかの要因でこれらの機能が発揮しきれていない可能性があるという事になります。

 

 

舌に限らず

頸部の筋

表情筋

呼吸に関わる筋

 

それぞれ同様に本来持っている機能が

何らかの因子により発揮しきれていない場合があります。

 

 

たとえば脳血管疾患があり

現在の舌機能=本来の舌機能 − 麻痺 による影響 − α

 

とすると

αという影響因子が取れると

自然と筋機能が上がるのがわかります。

 

これだとまだ分かりにくいという方もいると思いますので、

αに何か入れてみましょう。

 

 

例えばこのαが低栄養だといかがでしょう。

 

現在の舌機能=本来の舌機能 − 麻痺 による影響 − 低栄養

 

おそらくこれは理解しやすいと思います。

 

αの因子を取りのぞくとは

しっかり栄養を確保するということ。

 

ただ実際の臨床では、αにあたる因子は複数あります。

たとえばICFの表をみても、身体機能だけでなく

環境因子からも影響を受けることを皆さん理解しているはずです。

 

 評価の流れとし

まず情報収集、スクリーニング検査を行い

 

主訴に対して

言語面、口腔機能面、非言語面など、どこに問題があるか

 

または摂食嚥下では口腔期、咽頭期、食道期どこにどの様な問題があるか

大まかに把握していくと思います。

 

そこから構音面であれば構音検査により発話の誤り方の分析を行い、

さらにAMSDなどで呼吸発声機能、口腔顔面機能など評価していきます。

 

 

さてAMSDの発声発語機能検査の結果をひらくと

呼吸機能、発声機能、鼻咽腔閉鎖機能、口腔構音機能、補助検査とあります。

 

これらの項目は完全に独立しているわけではなく、

例えば呼吸機能の低下が発声機能に影響を及ぼしている場合もありますし、

口腔構音機能における運動範囲の低下が交互反復運動に影響している可能性もあります。

 

また補助検査における筋緊張(これかなり大切)

安静時の舌の緊張が高すぎる事が、運動範囲に影響を及ぼしているかもしれません。

 

 

実際には論文ですでに2つの因子に相関があるというデータを調べてみたり、

もしくは一つの因子に対して介入を行い、それに伴い発音のしやすさなど本来解決したいポイントも変化するか、介入を通した評価を行っていきます。

 

 

さて一度考えてみましょう。

 

発声機能が悪いから発声練習

呼吸機能が低いから呼吸練習

舌の可動域に問題があるから舌の運動

音が歪むから発音練習

 

というのは正しいのですが、

疑問も感じるのではないでしょうか。

 

現在の◯◯機能=本来の◯◯機能 − ?

 

では構音面を評価していき、

舌音が大きな問題の1つであるとなった時

 

?に入るのは麻痺だけなのか

 

大事なのは、

勝手に決め付けず

視野をひろげ、

なぜだろうと考えること。

 

話しはまだまだ続いていくのですが今日はここまで。

 

 

 続きはこちら

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

 

追記:

よくお勧めの本や論文はありますか?ときかれるのですが、

運動障害性構音障害に関してはこの本がとても好きなので、

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今年も全国で
言語聴覚士のためのプロフェッショナルSTセミナーを今年も開催予定です。
5年目の今年はどのような内容になるでしょう

(ST受講者の声 13年目 言語聴覚士)
私自身、疲れてくるとむせたり、飲み込みにくく舌骨上筋群の硬さが辛かったのですが、2日間のセミナーが終わる頃には、硬かった緊張も緩み、楽になりました。
臨床では以前から、〇〇が出来ないから〇〇の訓練をすることに疑問を感じていました。セミナーを受け、少しは胸から上だけでなく、体全体を見れるようになったのでは。体の事に関心がもてたのでは?PT.OTとも話ができるかな。
また効果が短時間で出たことは驚きました。人数もちょうど良く、先生が丁寧にまわって教えてくれたこと、先生のスピリチュアル的な話が聞けたことも良かったです。

 

(6年目 言語聴覚士

セミナー受講前は筋を触ることに抵抗があった。PTさんと患者さんについて議論する自信がなかった。身体と声、嚥下の分析ができないことなど困っていた。

今回、まず「考え方」の練習をいっぱい出来たことで、評価していく視点が明確になった。また効果を”自分の体”で実感出来たことは期待以上でした。

[ 9年目ST]
構音障害のある方に対して、教科書的な訓練を行っていましたが、良くなりきらない方が多く、あまり手応えを感じにくい状態でした。
今回のセミナーは自身の考え方ががらりとかわる内容でした。すぐにでも臨床に試したい内容で明日からの仕事が楽しみになりました。
自分自身の声や姿勢が変わった事、自身の腹部を意識できた事、もっと体の動きや変化に意識を向けなければならないこと、視点が変われば様々なアプローチがあることなどの事を実感できました。

 


奥住啓祐
言語聴覚士 メンタルヘルス

全国でセミナーや講演も実施
28年度
言語聴覚士の為のSTセミナーを
福岡、東京、愛知で計12回 (摂食嚥下編、呼吸発声編)
・自治体担当者セミナー (ストレスと自律神経の見える化
社会福祉法人の職員向けセミナー4回 (摂食嚥下障害、失語症
パーキンソン病 家族会での講演 (パーキンソン病と摂食嚥下障害)
・九州中央病院 スマイルネットワークでの講演 (訪問ST、摂食嚥下障害について)
・中国 上海市の方に対するセミナー (疾病予防、摂食嚥下、自律神経調整など)