~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

デイサービスの職員向け研修会を開催

言語聴覚士の奥住啓祐です。

PT,OT,ST関わらず、毎週様々な勉強会が開催されています。

 

勉強会で学ぶ方

文献や書籍などから学ぶ方

周囲の環境から学ぶ方

目の前の患者さんを通して学ぶ方

誰かに伝えることを通して学ぶ方

 

人それぞれ比重は異なるでしょうが、

個人的には上記それぞれ、

バランス良くありたいと考えています。

 

先日はデイサービスでスタッフの方向けに研修をさせて頂きました。

事前の要望としては、

・摂食嚥下障害についてもっと知りたい!

・体をひねる体操の意義ってなんですか?

などご要望頂いたのですが、

 

いろいろ考えた結果、今回のテーマは

「摂食嚥下障害や体操の意味などについて学ぶ前に必要な考え方」

とさせて頂きました。

 

業務をしていく中で様々な場面で困る事があると思います。

時には時間に追われ、業務をこなすので精一杯な時もあるでしょう。

それはどんな職種でも共通していること。

 

そんな中でもサービスの質を高めていくために何が必要なのか、 

今回はスタッフの方一人一人の意見を皆さんで共有しながら考えていきました。

活発な意見交換ができ、

職種関係なく皆さんの暖かい想いが伝わってきました。

 

そんな中で私自身、再認識したこと。

それは「環境を整えていく」ことが大事ということ。

 

例えば毎年開催させて頂いているSTセミナー。

東京で開催する時でも遠方では東北の方から参加される方もいらっしゃいました。

(ほんとに嬉しい限りです)

 

とても意欲の高い方々に毎回集まって頂き、

皆さんさらにモチベーションが高くなり、臨床に帰って行きます。

 

STセミナー以外にもいろんな研修会に参加している方もいらっしゃいますが

その後、臨床で上手くいく方とそうでない方がいらっしゃるようです。

今からの話は勉強熱心な方ほど陥りやすいことだと思います。

 

さて勉強会から帰ると

あたりまえですが本来の職場に帰ることになります。

 

まず大きく二通りの行動パターンに分かれていくでしょう。

①勉強会で学んだことを職場の同僚などにシェアする方

②学んだ内容をシェアされない方

 

 STセミナーに参加して頂いた方には

職場に帰ったら「同僚などに学んだ事をシェアしてください」とお伝えしてます。

 

記憶の定着のためや

どれだけ理解できているかの確認など目的はいろいろですが、

その中でも大事なのは「熱量の再分配」です。

(説明していきますね)

 

 積極的に何かしらの方法で学ばれ続けている方は

大抵単発では終わらず、繰り返し学ぼうとされます。

 

勉強会へ参加する方は、また違う勉強会へ

同じように文献で学ぶ方はまた関連する文献を探したりするでしょう。

 

特に外部の勉強会で学ぶ場合は

大抵、知識だけではなく、そこに実際に体の変化という体感を伴うため

勉強会後には大抵モチベーションが高まります。

 

しかし勉強会から自分の職場に戻ったときに

周囲との熱量の違いを感じる方はいないでしょうか。

 

そのままでは困ったことになります。

学んだことをシェアせずにどんどん勉強会に参加し続けると

自分の環境における、周囲との温度差が広がっていきます。

(負のスパイラルへの突入)

 

結果的に患者さんにとって不利益となることもあるでしょう。

ですから学んだ後に

自分が拠点としている環境の仲間に対して

自分が得た熱量を再分配することが必要となります。

 

 

一方で今回の様にデイサービスからお招き頂き、

在籍しているスタッフの方々に対して講演を行った場合

 

今回は管理者、看護師、介護士、ケアマネなど様々な方に参加頂いたことで

そのデイサービスという環境下における多くの方が

同じ思いを共有した状態で

共通の方向に向かって進んでいけます。

そうするとかなりレベルの高い施設になるでしょう。

 

これは大変地道な活動になりますが、

地域の中でコツコツ継続していくことで

不特定多数の方に向けて講演する時以上に

 

その地域において大きな力を発揮する施設が増え、

結果的に福祉を支える地域の基礎ができる考えます。

 

昨年から

社会福祉法人やデイサービスでの職員の方向けの研修をさせて頂く機会が増えましたが、

ある一つの「環境」に対して集中的に関わらさせて頂くことで

大きな変化を感じています。

 

今後もSTセミナーや施設などに対する研修など

様々な形式の研修を通して社会に貢献していきます。

 

 

 

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言語聴覚療法ランキング

 
今年も全国で
言語聴覚士のためのSTセミナーを今年も開催予定です。
5年目の今年はどのような内容になるでしょう
 
(STセミナー予定)
5月20日、21日 福岡県

他決まり次第公開していきます。
 
(ST受講者の声 13年目 言語聴覚士)
私自身、疲れてくるとむせたり、飲み込みにくく舌骨上筋群の硬さが辛かったのですが、2日間のセミナーが終わる頃には、硬かった緊張も緩み、楽になりました。
臨床では以前から、〇〇が出来ないから〇〇の訓練をすることに疑問を感じていました。セミナーを受け、少しは胸から上だけでなく、体全体を見れるようになったのでは。体の事に関心がもてたのでは?PT.OTとも話ができるかな。
また効果が短時間で出たことは驚きました。人数もちょうど良く、先生が丁寧にまわって教えてくれたこと、先生のスピリチュアル的な話が聞けたことも良かったです。
 
(6年目 言語聴覚士
セミナー受講前は筋を触ることに抵抗があった。PTさんと患者さんについて議論する自信がなかった。身体と声、嚥下の分析ができないことなど困っていた。
今回、まず「考え方」の練習をいっぱい出来たことで、評価していく視点が明確になった。また効果を”自分の体”で実感出来たことは期待以上でした。
 
[ 9年目ST]
構音障害のある方に対して、教科書的な訓練を行っていましたが、良くなりきらない方が多く、あまり手応えを感じにくい状態でした。
今回のセミナーは自身の考え方ががらりとかわる内容でした。すぐにでも臨床に試したい内容で明日からの仕事が楽しみになりました。
自分自身の声や姿勢が変わった事、自身の腹部を意識できた事、もっと体の動きや変化に意識を向けなければならないこと、視点が変われば様々なアプローチがあることなどの事を実感できました。
 
奥住啓祐
言語聴覚士 メンタルヘルス
 
過去開催したセミナー
・STセミナー(呼吸発声編、摂食嚥下編、セラピストの体作り、頭蓋)
社会福祉法人の職員むけ研修(摂食嚥下、失語症

・デイサービスの職員向け研修 (サービスの質向上のためには)
・訪問STについて
・疾病予防について
・自律神経の見える化の意義
・自律神経調整法について
パーキンソン病と摂食嚥下障害