~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

STセミナーIN仙台

今回、初めて仙台でSTセミナーを開催しました。

今年から始めた「刺激に対する反応」というテーマ。

 

セミナーをする度に私自身どんどん成長していて、

おかげさまで仙台では今年一番の内容を提供できたと思います。

 

かなり不思議な体験もいっぱいしていただきましたね笑

 

特に今回は初めて披露する手技もありました。

瞬間舌弛緩法(仮)

 

これまで全身からの頭頚部、胸郭への影響を伝えてきましたが、

もちろん舌や嚙み合わせから全身へも影響していきます。

ですからずっと直接舌を触らずに舌の調整ができないかと思考錯誤していたところ、

2週間前にようやく今回の方法にたどり着いたんです。

 

手技を始めて3秒~10秒程度でバターが溶けるように舌が緩むのですが、

この手技の面白いのは舌以外の筋も緩むことです。

どんな筋が緩むかは人それぞれで、

表情筋が緩む方、腰が緩む方、下肢が軽くなる方、前屈が10センチくらい変わる方と様々。

 

これは予想なのですが舌以外が緩む方は、日ごろ舌を使う時に無意識にそれらの筋なども緊張させてしまっているのではないかと考えています。

 

舌の余計な緊張が抜けた後は一気に声の響きが良くなる方もいらっしゃいます。

毎回どんな反応が返ってくるかが楽しみなんです。

 

そうそう、こう書いている間にも瞬間舌弛緩法の応用バージョン(顎関節バージョン)を思いつき自分の体で実験して楽しんでいます♪

 

いろんな方に体感してもらって、検証していきたいです。

 

さて今回の仙台セミナーはいつもより少人数だったこともあり、

かなり内容の濃ゆい2日間でしたね。

 

セミナーでの実技を通して、

皆さんの声が「本来の響き」にもどっていく瞬間がいつも大好きで、

今回もほんと楽しかったです。

 

おそらく情報量の多さにパンク状態かもしれませんが、

大切なのは「たった一種類の手技と考え方」です。

 

あらゆる場面で評価‐介入‐再評価を実践すること。

そして今回伝授したタッチで相手の運動パターンを誘発し、

刺激に対する反応を評価し、

効率のよい動きへと、動的ななかで自由度を広げていく。

 

またそこから得られた反応と日常生活動作時の動きのパターンとの関連をみていく。

 

例えば

(評価①)発声場面を評価すると頸部が伸展するにしたがって嗄声がつよくなる。

(評価②)頸部の屈曲伸展時の評価すると、頸部前面筋が特に頸椎伸展方向へ誘導した時に筋緊 張を維持できずに頭部がストンと後屈していまう。

(介入後の再評価①)3か所ほど脊柱の調整をした後に、再度頸椎の伸展運動をみると頸部前面筋の緊張を最後まで維持できており、初めのようにストンと後屈することもなく、本人自身も頸部前面筋が働いている感覚も認識できた。

(再評価②)頸椎を徐々に伸展させながら発声をしても嗄声はなく自然と声量も増大

 

さらに頸部前面筋に比し、後頚部の緊張が高いのはなんでかなと、基本動作を見てみると座位や立位で腰背部の筋で支えており腹部の緊張は低い。

寝返り動作においても腹部の収縮を出すために頭部を挙上させて代償させている。

嗄声のない良い声を持続するためには、座位や立位場面、寝返り時などに背面ではなく腹部が働きやすい体の使い方を再学習していく必要があると考え、寝返り動作のパターンの修正を行う。

パターン修正後は寝返り動作の際に自然と腹部が収縮する感覚を認識できた。

このように頸部前面筋の活動を妨げるような要因を一つ一つ除外していけると、より効率の良い介入ができると考えています。

 

という流れで受講生の状態をその場で評価-介入していきながら実際の評価‐介入‐再評価というプロセスを体験していただきました。

 

あらゆる日常生活動作において頭頚部は代償的に働いてしまうので、

STとしてそれが呼吸、発声、構音などを妨げる要因となっていないかを把握する必要があります。

いろんなところからの影響があると知るとやはりPTさんやOTさんともっと連携しないとと気付きます。

 

多くの気付きがあった二日間

おそらく半年後、1年後の臨床は大きく変わっているでしょう。

これから仙台のSTさんたちの活躍がとても楽しみです。

 

 奥住啓祐

 

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奥住啓祐
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