~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

妊娠と舌のおはなし

 

皆さんこんにちは♪

先日「食べること、話すこと」のFacebookページで、妊娠と舌についての記事を書きました。

 

今日はその内容をもう少し分かりやすく書いていきます♪

 

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全身には約600個の筋肉があり、もちろん口の中にある舌も筋肉です。

 

筋肉はそれぞれ持っている機能があり、

例えば筋力、巧緻性、敏捷性などがあります。

 

 

ただし私たちが日常生活で発揮できている筋機能というのは何らかの影響で、

本来発揮できる筋の機能を発揮できない状態になっている場合が多いです。

 

たとえば姿勢の影響やストレスの影響など影響因子は様々です。

 

 

実際にそれらを検証するのは意外と簡単でして、

身体へのアプローチや意識の仕方を変えることで、

 

本来持っている機能を発揮できるようになると、

重いと感じた鞄を軽く感じるようになったり、

物に触れた時の質感を手から感じやすくなったりと、

 

「私ってこんなに力があったんだ!」

というのを体感する事ができます。

 

 

 全身の筋はアスリートの様な素晴らしいパフォーマンスも行える一方で、

硬くなって本来持っている力を発揮できない場合もあり、

 

その人の今の状態によって発揮できる機能にはばらつきがあります。

 

 

日ごろ外界からの情報をキャッチする目、皮膚、耳、舌などの感覚器も同様に、

人によってどれだけ機能を使えているかは異なり、

 

多くの方にまだまだ伸びしろがあるんです。

 

 

例えば舌の機能で考えてみると、
健常者であっても、立っているだけでも舌が頑張ってしまっている場合もあれば、反対に舌が積極的に体のバランスをコントロールし、舌の微妙な変化で相手を投げちゃうなんて達人もいらっしゃいます。

 

 

舌は体のバランス機能にも影響している可能性があるんですね。

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猫背が気になっていた子どもさんで、口腔外からの舌の調整をした後、

舌が楽に上顎につくようになり、その後、徐々に姿勢が良くなってきたという報告も何例か頂いており、舌の大切さを日々感じています。

 

 

そんな素晴らしい可能性を秘めた舌ですが、赤ちゃんから高齢者まで年齢関係なく

 

非効率な舌の使い方をしている方も多くいる。

 

ということに、沢山の健常者の舌を見るなかで分かってきました。

 

 

例えば発音している時に舌が頑張りすぎている方は健常者であっても多く、

 

日常生活において呂律がまわりにくいと感じている方の場合は特に顕著であると考えています。

 

そういう方は、口腔外からの舌の調整を行いながら評価をしていくと、

どんどん話しやすくなっていく不思議体験ができます。

 

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

 


さて以前、妊婦さんとの立ち話の流れで、

「首も肩も痛くて挙がらない」という相談を受けたことがあります。

 

けっこうこの悩みは多いですよね。

 

早速、何が影響しているのかを評価するため、

まず立位のまま、上肢のポイント2か所に、一瞬触れて、

再度手を挙げてもらうと、不思議と肩の痛みはなくなったのですが、首の問題は残存。

 

 

以前、助産師さんから、妊娠後期では舌の位置が下がる方がいると聞いたのを思い出して、早速、口腔機能を評価してみると、

 

やはり舌の位置は下がっており、上顎へ舌がつきにくくなっているのが分かりました。

 

 

ただし、これだけでは舌の問題があると分かっただけで、首の痛みや動かしにくさとの関連があるかは分かりません。

 

 

そこで舌と頸部の関連を評価するため、

立位のまま口腔外からの舌の調整を行い、開口時でも舌がしっかり高い位置となったのを確認し、再度頸部の評価をしてみると、

 

頸部の痛みはなくなり、首が自由にまわるようになっていました。

 

 

また口腔内の評価から、妊娠前から舌の位置の問題はあった可能性があり、

妊娠前からの問題と、妊娠以降のお腹が大きくなるに伴う姿勢の変化の影響とが混在している可能性があるなと考えました。

 

妊娠中は自分の体がどんどん変化していき、

出産後は赤ちゃんの体が日に日に大きくなっていく。

 

そんな急激な変化に対して無理なく体が適応していくためには、

 

やはり理想は妊娠前から口腔機能を含め、体をしっかり整え、

妊娠以降も口腔機能を含めた体の変化をしっかり追っていき、

 

体の不調に繋がるような変化は早めに介入して対応できると、妊婦さんもかなり楽になるだろうなと感じています。

 

 

~舌からの影響、舌への影響~


目の前で見ている頭頚部の状態は、舌からの影響と舌への影響が混在した結果でとても複雑ですが、

 

丁寧に評価-介入-再評価を繰り返していくことが大切ですね♪

 

そして歯科医師、歯科衛生士、助産師、言語聴覚士、保育士など、様々な専門職の方が、食べること、話すことについてや、舌を含めたお口の事を学び、赤ちゃんから高齢者までサポートできるよう全国で活動していきます。

 

 

奥住啓祐

 

 

 

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