~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

発語失行と舌の調整

 皆さんこんにちは♪

 

今日は「発語失行と舌の調整」というテーマでお話していきます。

内容としては言語聴覚士さん向けの記事になります。

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舌の調整というのは、2017年に私が開発した「口腔外からの舌の調整法」の事でして、主に顎の下から瞬間的に舌や舌骨上筋群の緊張、可動域を無痛で調整する特殊な徒手的手技になります。

 

小児歯科医院さんで良くトレーニングされている、舌の前方や上方への可動域

 

声優さんなど声のお仕事をされる方がトレーニングされている、舌の下方への可動域

 

これらがその場で変化していきます。 

 

基本的にその後、機能維持のためのトレーニングも必要なく、もしろ繰り返し反復して目標に合わせたより高い口腔機能を目指していきます。

 

2017年に口腔外からの舌の調整法が産まれてから、健常者でも誰しも抱える舌の問題というのが少しずつ分かってきました。

 

また最近は発音の悩みを抱える子どもさんを小児歯科でみさせて頂くなかで、口腔外からの舌調整法にS-R touchを応用したアプローチを行うことで、その場で発音のしやすさが変化することも可能だと分かってきました。

 

加えて発音の悩みを抱える子どもさんに対して、舌のみへの介入では不十分であることもわかりました。

 

手技が産まれた当初は舌の緊張位置がその場で変化していく点が興味深く、それらにフォーカスしていたのですが、最近は発語や嚥下というレベルでの評価・介入にフォーカスしています。

 

健常者への評価・介入の中からわかってきたのは、「日本語という共通言語を話している健常者であっても、話すときの舌の動きの効率性にはとってもバラツキがあり、母音レベルでも余計な力を入れて発音している方も多い」ということ。

 

その様な方は実際に舌の動きが非効率なだけでなく、

自分の声が嫌い、

呂律がまわりにくく話しにくい、

発音の際に声がかすれる(特に夕方頃)、

などの悩みを抱えられていることもあります。

 

さらに、口腔外からの舌の調整法など幾つかの手技を応用しながら介入を行う事で、何歳であっても比較的短時間で発音のしやすさ、話し声、飲込みやすさは改善可能であるということもわかりました。

(瞬間発音調整:発音のしやすさが一瞬で変わる事を体感する。 - 言語聴覚士 奥住啓祐

  

さて、これまでの記事では主に健常者の発話や嚥下について書いてきたのですが、実は失語症、発語失行を抱える方にも口腔外からの舌の調整法は応用したほうが良い場合がある事が分かってきました。

 

 失語症や発語失行の方でも、舌の筋緊張の問題が表出面に影響しているかの鑑別、そしてそれらの影響がある場合、言語機能の問題がある方であっても、舌の調整によって筋緊張の問題を比較的楽に軽減することができます。

 

なぜなら口腔外からの舌の調整法が非言語的介入という点が大きいです。

舌の調整において、舌の動きなどを口頭で指示を行うことは絶対条件ではないので、ご本人に余計な努力をしてもらう必要がありません。

 

今のところ特に発語失行の影響が強く、入院中の訓練に難渋したような症例であっても、教科書に載っているような訓練方法を行う前に、舌などの緊張の調整を行うことで、短期間での改善を実感しています。

 

舌の緊張が調整されることによって、結果的に呼称など表出面のタスクにおいてエラーが少なくなり、失語症や発語失行の方であっても、その場で良くなるという事を体感できるのです。

 

そういった「今良くなった!」という体験は失語症の方では中々体感できることではないので、成功体験があることでモチベーションのアップにも大きく繋がります。

 

 少し話はそれますが、発語失行の方で母音レベルで努力的な発話の方の場合は、輪状軟骨から、内喉頭筋の緊張を調整することが出来るようになると、舌の調整と同様に言語を介さず嗄声の軽減を図ることが可能な場合があります。

 

なかには内喉頭筋の緊張が緩んだ瞬間、同時に表情筋の緊張や肩まわり、胸郭の動きまで変化された方もいらっしゃいました。

 

頭頚部は上下肢や体幹など全身からの影響を受けますが、この様に頭頚部から全身への介入効果の波及をその場で評価していくと面白い発見があると共に、やはり全身繋がっていることを一人一人のクライアントさんから教えて頂きます。

 

失語症の方の問題点に影響する因子を考えていく際に、この様に構音器官や発声器官の筋緊張の問題を始めに鑑別することはとても重要です。

 

その為には、なるべく簡単に、言語を介さずターゲットとなる筋骨へ介入を行い、その前後で表出面の問題がどの様に変化するかを評価できる必要があると考えます。

 

明日の臨床からすぐできるといった楽に習得できるものではありませんが、STの皆さんに「口腔外からの舌の調整法」「瞬間発音調整」を体感して頂き、驚きとこの手技のもつ可能性を共有できたら嬉しいです♪

 

 

 

奥住啓祐

 

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