~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

これまでのまとめ

言語聴覚士の奥住啓祐です。

わたしが機能性構音障害の口蓋化構音だった話から始まり

気付いたら結構長くなってしましました。

 

これまでのアセスメントに関する話をまとめてみると

 

私自身、呂律不良感を抱え、

構音の再学習を初めて9年たちます。

そんな私がずっと考えていることは

「どうやったら効率良くその方の目標を達成できるのか」ということ。

 

「どうやったら」

と聞くと皆さん何を連想するでしょうか。

 

どうやったら、国家試験に通るのか

どうやったら、誤嚥しなくなるのか

どうやったら、姿勢がよくなるのか

どうやったら、声がかすれなくなるのか

どうやったら、痩せるのか(笑)

 

おそらく無意識に解決策を探していると思います。

臨床においても、つい「どうやったら」と考えがちです。

 

それが悪いとか

必ず間違っているとは言えませんが

これまでの内容を思い出してみると

 

主訴に対して

各評価結果や集めた情報から

特に主訴に対して影響を及ぼしていると想定される機能について

その機能低下の原因をさらに掘り下げて行く思考の重要性について書いてきました。

 

現在の○○機能=本来の○○機能 − α(?+?・・)

 

例えばこのα 因子に関して

α =低栄養の場合と

α =筋出力抑制の場合では

追加するアプローチの仕方が全く異なります。 

 

だからこそ

 

食物の咽頭残留があるとき

声がかすれるとき

呂律不良感があるとき

 

「どうやったら」と解決策をすぐに考えるのではなく

「なぜだろう」とさらに掘り下げてみましょう。

 

α 因子を探すときに知っている必要があるのが

 

 「正常な運動機能を成立させている要素」

 

またその他にも

呼吸機能や頭頸部の筋機能に影響を与える要因として

様々な身体法則を知っていることも大切。

 

なぜ足を触ったら声が変わるんだろう

なぜ骨盤を触ったら呼吸機能が変わるんだろう

なぜ上肢を触ったら呂律不良感が変わるんだろう

 

私自身いろいろ悩みましたが

いろいろ身体法則を知ると

「そういう事か!」と理解できたり

それだけでなく

抽象度を上げることで

「それだったら、こんなアプローチ方法でもいいかも」と

さらに応用出来るようになっていきます。

 

STセミナーを受講された方で

・座位でもアプローチ出来ている方

・自主訓練の指導内容まで変化した方は

セミナー内容を応用出来ている方と思います。

(私自身もっと分かりやすく伝えられるよう改善していきます) 

 

 

 身体法則にはついてはまた後日お話するとして

次回は「正常な運動機能を成立させている要素」の

 

「正常」について考えてみたいと思います。

 

正常ってなんでしょう。

それを考える前に私たちが持っている大きな思い込みに気付く必要があります。

 

次回はそんな話から始めましょう。

 

 

「あなたの能力に限界を加えるものは、他ならぬあなた自身の思い込みなのです」

(Napoléon Bonaparte)

 

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今年も全国で
言語聴覚士のためのプロフェッショナルSTセミナーを今年も開催予定です。
5年目の今年はどのような内容になるでしょう

(ST受講者の声 13年目 言語聴覚士)
私自身、疲れてくるとむせたり、飲み込みにくく舌骨上筋群の硬さが辛かったのですが、2日間のセミナーが終わる頃には、硬かった緊張も緩み、楽になりました。
臨床では以前から、〇〇が出来ないから〇〇の訓練をすることに疑問を感じていました。セミナーを受け、少しは胸から上だけでなく、体全体を見れるようになったのでは。体の事に関心がもてたのでは?PT.OTとも話ができるかな。
また効果が短時間で出たことは驚きました。人数もちょうど良く、先生が丁寧にまわって教えてくれたこと、先生のスピリチュアル的な話が聞けたことも良かったです。

(6年目 言語聴覚士
セミナー受講前は筋を触ることに抵抗があった。PTさんと患者さんについて議論する自信がなかった。身体と声、嚥下の分析ができないことなど困っていた。
今回、まず「考え方」の練習をいっぱい出来たことで、評価していく視点が明確になった。また効果を”自分の体”で実感出来たことは期待以上でした。

[ 9年目ST]
構音障害のある方に対して、教科書的な訓練を行っていましたが、良くなりきらない方が多く、あまり手応えを感じにくい状態でした。
今回のセミナーは自身の考え方ががらりとかわる内容でした。すぐにでも臨床に試したい内容で明日からの仕事が楽しみになりました。
自分自身の声や姿勢が変わった事、自身の腹部を意識できた事、もっと体の動きや変化に意識を向けなければならないこと、視点が変われば様々なアプローチがあることなどの事を実感できました。

 

奥住啓祐
言語聴覚士 メンタルヘルス

 

全国でセミナーや講演も実施
28年度
言語聴覚士の為のSTセミナーを
福岡、東京、愛知で計12回 (摂食嚥下編、呼吸発声編)
自治体担当者セミナー (ストレスと自律神経の見える化
社会福祉法人の職員向けセミナー4回 (摂食嚥下障害、失語症
パーキンソン病 家族会での講演 (パーキンソン病と摂食嚥下障害)
・九州中央病院 スマイルネットワークでの講演 (訪問ST、摂食嚥下障害について)
・中国 上海市の方に対するセミナー (疾病予防、摂食嚥下、自律神経調整など)