~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

注意を分配する

言語聴覚士の奥住啓祐です。
今年のSTセミナー福岡会場について申込みを開始しています。

実技を中心に行うため少人数制となっています。

興味のある方はお早めに申込みください。

(残り6名程度で募集締め切りとなります)


詳細は以下よりご確認ください。

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

 

今日は脳血管疾患による構音障害や発声障害などを呈する方の評価介入の際に

ぜひ取り入れて欲しい視点をお伝えします。

 

ここで言う評価とは

私も生活期での臨床で活用させて頂いている、

荒木謙太郎先生が開発しているスクリーニングSTADによって

障害の大まかな鑑別ができ、

STAD公式ホームページ - 言語障害スクリーニング STAD

 

その後、構音障害であれば

構音検査で、どの音がどの様なパターンで歪むのかを調べたり

AMSDで音の誤りの背景となる口腔顔面機能や呼吸発声機能、鼻咽腔閉鎖機能など評価したあと

 

さらに舌や口唇などの機能異常が

何による影響を受けているのか掘り下げていく時の評価を指します。

(STセミナーで学ぶのはこの段階です)

 

取り入れて頂きたい視点を一言でいうと

「より丁寧に視診、触診する」ということです。

 

これだけ聞くとあたりまえすぎて

何を今更と言われる方も多いでしょうが、

いくつかポイントがあるので説明していきます。

 

訓練が上手くいかないという言語聴覚士さんは

まずこんな視点があると新しい気付きになるかもしれません。

 

「より丁寧に視診、触診する」

 

いつするのか?

これはスクリーニングやAMSDなどの評価場面だけではなく、

訓練中もにです。

 

どこを?

頭頸部を含め、なるべく全身をみてみましょう。

 

何を?

その時の課題など、刺激に対する反応を捉えていく事が重要となります。

 

どうやって?

音を聞きながら、目で観て、体に触って、

相手の体に生じている変化を理解しましょう。

 

 

片麻痺の方の歩行を見てると麻痺側上肢が屈曲してくるのを良く見かけます。

様々な活動の場面で連合反応などにより、

四肢に非効率な筋活動が生じてしまいます。

 

それでは考えて頂きたのですが、

呼吸発声や構音といった活動時はその様な非効率な筋活動は生じていないのでしょうか。

 

そのような事はなく例えば構音時に

上肢が屈曲してくる方

下肢が内転してくる方

カ行の時に下肢が屈曲してくるが、タ行や口唇音では同様の筋活動が見られない方

 

反応の仕方は様々であり

視診では分からず、上記のような反応を抑制できてきたと思ったら

触診してみるとわずかに下肢に反応がある時もあります。

 

それらを訓練中も常に評価していき、

タスクの難易度の調整や

過剰に高まった筋緊張の調整をその都度、行っていく必要があります。

 

これらに気づけないと知らない内に

セラピストの課題の難易度設定や声かけの仕方を誤り、

回避すべき過剰な筋緊張をセラピストが作りだしてしまいます。

 

 

まずはいつもの訓練中、

呼吸の際

頭頸部の運動時

発声

構音

自主訓練を行っている時

など様々な活動場面で

 

相手の上肢や下肢など全身の反応にも注意を分配してみましょう。

 

 


 
 
 

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今年も全国で
言語聴覚士のためのSTセミナーを今年も開催予定です。
5年目の今年はどのような内容になるでしょう
 

st-keisuke.hatenadiary.jp


(STセミナー予定)
5月20日、21日 福岡県

 

他決まり次第公開していきます。
 
(ST受講者の声 13年目 言語聴覚士)
私自身、疲れてくるとむせたり、飲み込みにくく舌骨上筋群の硬さが辛かったのですが、2日間のセミナーが終わる頃には、硬かった緊張も緩み、楽になりました。
臨床では以前から、〇〇が出来ないから〇〇の訓練をすることに疑問を感じていました。セミナーを受け、少しは胸から上だけでなく、体全体を見れるようになったのでは。体の事に関心がもてたのでは?PT.OTとも話ができるかな。
また効果が短時間で出たことは驚きました。人数もちょうど良く、先生が丁寧にまわって教えてくれたこと、先生のスピリチュアル的な話が聞けたことも良かったです。
 
(6年目 言語聴覚士
セミナー受講前は筋を触ることに抵抗があった。PTさんと患者さんについて議論する自信がなかった。身体と声、嚥下の分析ができないことなど困っていた。
今回、まず「考え方」の練習をいっぱい出来たことで、評価していく視点が明確になった。また効果を”自分の体”で実感出来たことは期待以上でした。
 
[ 9年目ST]
構音障害のある方に対して、教科書的な訓練を行っていましたが、良くなりきらない方が多く、あまり手応えを感じにくい状態でした。
今回のセミナーは自身の考え方ががらりとかわる内容でした。すぐにでも臨床に試したい内容で明日からの仕事が楽しみになりました。
自分自身の声や姿勢が変わった事、自身の腹部を意識できた事、もっと体の動きや変化に意識を向けなければならないこと、視点が変われば様々なアプローチがあることなどの事を実感できました。
 
奥住啓祐
言語聴覚士 メンタルヘルス
 
過去開催したセミナー
・STセミナー(呼吸発声編、摂食嚥下編、セラピストの体作り、頭蓋)
社会福祉法人の職員むけ研修(摂食嚥下、失語症
・デイサービスの職員向け研修 (サービスの質向上のためには)
訪問看護ステーションの職員向け研修(摂食嚥下障害)
・訪問STについて
・疾病予防について
・自律神経の見える化の意義
・自律神経調整法について
パーキンソン病と摂食嚥下障害