~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

0.2mmの世界を触れて察する

 言語聴覚士の奥住啓祐です。

今月に入り2つのセミナーに参加してきました。

 

そのうちの一つは触察についてのもの

 

2時間の内容でしたが大変勉強になりました。

特に良かった2つの事について

 

①やっぱり皮膚って大事だ

相手に触れている時

勿論、直接触れてるところは

皮膚であったり、洋服なのだが

 

意識では皮膚、筋膜、筋、骨のどれをターゲットとしているか明確にする必要がある。

また触れている所を感じている場合もあれば

触れている所よりも遠くの部位を感じていることもあるため

 

同じように触っているようにみえても

実は全然違う事をしている場合が殆どである。

 

今回は皮膚と筋膜にターゲットを絞って触りわけをしたのだが

私自身、皮膚の重要性を改めて体感できた。

 

皮膚に対してアプローチを行うという事は

活動するにあたって皮膚が何かしらの阻害因子となっている場合である。

 

今回は膝裏の皮膚に対してアプローチを実施したのだが

左膝裏の皮膚が緩むにつれて

両足関節周囲と左ハムストが緩むのを感じた。

 

なぜここまで変化がでたのか疑問に思っていたが

よくよく考えて見れば答えは単純で

 

アトピー性皮膚炎があり頻繁に引っ掻いていた場所だった。

 

という事で頻繁に引っ掻いていた部位の皮膚を自分でリリースしていくと

ずっとカチカチだった下腿周囲の筋緊張がどんどん緩んでいき

そのまま脊柱、後頸部と筋膜のラインに沿うように緩んでいった。

 

そして後頸部が緩み、

頸部回旋がしやすくなる。

 

という事は私自身の頭頸部の筋機能に対して影響を及ぼしている一因子となっていたかもしれない。

 

言語聴覚士として関わる方の中には

気管切開、胃瘻、褥瘡といった

明らかに皮膚に問題がのこるのではと考えられる方もいる。

また頸部周囲に対する放射線治療後も同様ではないだろうか。

 

実際に臨床で出会った際には皮膚が阻害因子になっていないか評価を行ってみたい。

 

 

続きはまた次回 ~膜と軸~

 

今回の記事のあとに再度以下の記事を読んで頂けると

また理解が深まると思います。

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

 

 

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今年も全国で
言語聴覚士のためのSTセミナーを今年も開催予定です。
5年目の今年はどのような内容になるでしょう
 
(ST受講者の声 13年目 言語聴覚士)
私自身、疲れてくるとむせたり、飲み込みにくく舌骨上筋群の硬さが辛かったのですが、2日間のセミナーが終わる頃には、硬かった緊張も緩み、楽になりました。
臨床では以前から、〇〇が出来ないから〇〇の訓練をすることに疑問を感じていました。セミナーを受け、少しは胸から上だけでなく、体全体を見れるようになったのでは。体の事に関心がもてたのでは?PT.OTとも話ができるかな。
また効果が短時間で出たことは驚きました。人数もちょうど良く、先生が丁寧にまわって教えてくれたこと、先生のスピリチュアル的な話が聞けたことも良かったです。
 
(6年目 言語聴覚士
セミナー受講前は筋を触ることに抵抗があった。PTさんと患者さんについて議論する自信がなかった。身体と声、嚥下の分析ができないことなど困っていた。
今回、まず「考え方」の練習をいっぱい出来たことで、評価していく視点が明確になった。また効果を”自分の体”で実感出来たことは期待以上でした。
 
[ 9年目ST]
構音障害のある方に対して、教科書的な訓練を行っていましたが、良くなりきらない方が多く、あまり手応えを感じにくい状態でした。
今回のセミナーは自身の考え方ががらりとかわる内容でした。すぐにでも臨床に試したい内容で明日からの仕事が楽しみになりました。
自分自身の声や姿勢が変わった事、自身の腹部を意識できた事、もっと体の動きや変化に意識を向けなければならないこと、視点が変われば様々なアプローチがあることなどの事を実感できました。
 
奥住啓祐
言語聴覚士 メンタルヘルス
 
過去開催したセミナー
・STセミナー(呼吸発声編、摂食嚥下編、セラピストの体作り、頭蓋)
社会福祉法人の職員むけセミナー(摂食嚥下、失語症
・訪問STについて
・疾病予防について
・自律神経の見える化の意義
・自律神経調整法について
パーキンソン病と摂食嚥下障害