~口腔機能の探求~ 言語聴覚士 奥住啓祐

20歳で口蓋化構音が見つかり試行錯誤しながら克服。口腔外からの舌調整法やS-R touchを通して口腔顔面の持つ可能性を探求してます。 特技は瞬間発音調整、楽器演奏時の舌の動きの瞬間調整。

発音の問題に対して足から介入する?

言語聴覚士の奥住啓祐です。

 

ここ数年でSTさんのための実技中心の勉強会も増えましたね。

 

どの様な姿勢でベッドに寝るか

またどの様な姿勢で座るか

 

丁寧に評価-介入-再評価を行っていくと、呼吸が変わり、声質がかわり、飲込みやすさが変わったという事を、おそらく皆さん経験されていると思います。

 

私も言語聴覚士の資格をとった当初から、体幹や上下肢が頭頚部に与える影響をずっと考え学んできました。

 

例えば脊柱の棘突起や足底に軽く触れた途端、まっすぐ提舌が出来るようになったり、呂律不良感が軽減するのを体験する度に、「ほんとに体って繋がっているんだなぁ」と感じてきました。

 

そういう経験をすると、「もっと学びたい!」という思いは膨らみ、全国飛びまわっていました。

 

言語聴覚士になった当初からの「しっかり口腔の事をみる」という目標を大切にしつつ、

 

「全身から頭頚部の問題を捉えられるようにもなりたい」

「もっと全身みれるSTになりたい」と、徐々に変化していました。

 

もちろん初めは筋骨格系の事は全然分からなかったのですが、1年、2年と経つごとに少しずつ見える世界が変わっていったように思います。

 

「あの時に諦めなくて良かったな」とよく思い返します。

 

そして29年からは「口腔、顔面への介入を軸にしながら、全身からの発音や食べることへの影響もみていく」というように変化してきました。

 

きっかけは口腔外からの舌の調整法が産まれたこと。

そして喉頭筋の調整法が産まれたのも私に与える影響は大きかったです。

(参考:発音のしやすさが一瞬で変わる事を体感する。 - 言語聴覚士 奥住啓祐

 

発音や嚥下の問題だけでなく、失語症や発語失行の方に対して、筋緊張の問題がどの程度影響しているかの、評価・介入にも応用できるので、これはぜひ実際にセミナーなどで自分の体で変化を体感してほしいと思います。

(参考:発語失行と舌の調整 - 言語聴覚士 奥住啓祐) 

 

さて、このブログでも何度かお話していますが、同じ日本語を話している健常者であっても、発話時の舌運動の効率性は大きく異なり、非効率な舌の使い方をしている方も多くいます。

 

ここでいう舌の問題というのは病的な問題ではないのですが、食べること、話すことへ影響するのみならず、たとえば歌うこと、サックスなどの楽器演奏など口腔が関わる様々な活動に影響を及ぼします。

 

実際、舌の位置や緊張の調整を行うと、途端に楽器を吹いた時の音色が変化することは珍しくありません。

 

舌の緊張が変化することで話しやすさ、食べやすさ、歌声、楽器の音色と様々な変化が起こりうるということですね。

 

一方で健常者を対象に上肢、下肢と順に徒手的に刺激し、その前後で発話時の舌運動の効率性を評価していきます。そうすると、例えば下肢に介入することで、再評価時に舌の動きが良くなるという方が時折いらっしゃいます。

 

下肢→舌

 

「両者の間にどの様なつながりがあるのか」、そして繋がりがあるだけでなく「なぜ影響を受けるようになったのか」とても興味深いですよね。

 

数年前の私だったら「下肢からの影響で舌が非効率な動きをしていた」という気付きで終わっていたのですが、今はもう一歩踏み込んで考えるようになりました。

 

例えば下肢への介入で舌が動かしやすくなった場合、より難しい発音課題を行います。

 

例えば「らららららら」といったように発音課題を行なってもらいます。

 

 難しい発音課題を行なっても、下肢への刺激で改善した舌の動きが維持できればいいのですが、残念ながら介入前の状態へあっという間に戻ってしまう場合も多くあります。

 

「この介入効果ってどのくらい持続するんだろう?」と疑問に思った時は、疑問のままにせず確認してみて、何が変化して、何は変化しなかったのかも評価していきましょう♬

 

一方で負荷をかけた事で舌の動きが元に戻ってしまう方に対し、口腔外からの舌の調整法を行なうと、同様に負荷のかかる課題を行なっても良い状態が維持できることがあります。

 

もちろん上下肢からも介入した方が効率の良い場合もあるでしょうが、その際はまた違う視点から掘り下げていく必要があります。

 

なにが大切かというと、評価-介入-再評価の中で、まずは同じ条件で介入前後に評価を行い、良い介入結果が得られた時にはもう一歩掘り下げて介入効果について評価してみるということ。

 

そして以前の記事でお話したように、食べること、話すことの問題の背景となる、様々な影響因子を考え、どんな因子に対して誰が介入すると、より効率的に目標へ向かっていけるかを考えていくということ。

(参考:アセスメントの階層性① - 言語聴覚士 奥住啓祐)

 

 

今回の内容で言えば、食べること、話すことの問題に対して直接口腔から介入していった方が効率的なのか、上下肢や体幹からも介入していった方が良いのかを考えるということですね。

 

もちろん下肢から頭頸部への影響も強いと考えた際、STさんが下肢に対して介入しないといけないのかというと、そうではありません。

 

PTさんが介入する時に、下肢と頭頸部の関連も考慮してもらいながら訓練を行なってもらい、定期的にSTさんは下肢から頭頸部への影響がどの程度軽減しているかPTさんと一緒に評価できたらよいと考えています。

 

もちろん構音訓練をする際に足のポジションを整えるなど、STさんが1人でも出来ることは積極的に行なっていけると素敵ですね。

 

 

長くなりましたので、今回はここまでにしましょう。

明日からの臨床に繋がる素敵な気付きがあれば幸いです。

 

 

 今日も最後までお読み頂きありがとうございました♬

  

奥住啓祐 

 

 

 

私が体の繋がりを学ぶために最初に購入したのはアナトミートレインでした。おおまかにでも筋膜を通して体がどのように繋がっているのかSTさんも知っておいた方がいいと思いますので、ぜひ購入しましょう♬

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言語聴覚士の花束

皆さんこんにちは。

ここ数日福岡はとても良い天気が続いています。

 

Facebookでのご縁がきっかけで言語聴覚士の花束」というメールマガジンで29年より何度か記事を投稿させて頂いています。

 

メールマガジンにはこちらから登録できるようなので、ぜひ言語聴覚士さんには登録して頂きたいです♪

メールマガジン「言語聴覚士の花束」登録フォーム

 

今回は瞬間発音調整に関する取り組みについて、記事を書かさせて頂き、今朝配信されたようです。

 

瞬間発音調整についてはこちらにも書いています。

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

早速、Facebookの方でも記事を読んだ方から友達申請がくるなど反応があり、とても嬉しく思います。

 

今、言語聴覚士さん以外にも、歯科医師の先生、地域で開業されている助産師さんなど様々な専門職の方に興味を持っていただいている私の取組み。

 

来月は東京で歯科医師さん、歯科衛生士さん、STさんなど集まり、楽しく食事をしながら瞬間発音調整など体感して頂く予定です。

 

今年は浜松にも呼んで頂けるようでして、新たな出会いが楽しみです♪

 

日ごろ記事を読んで頂いている方とお会いできるのも楽しみにしています。

 

 

奥住啓祐

 

 

 

 

 

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発語失行と舌の調整

 皆さんこんにちは♪

 

今日は「発語失行と舌の調整」というテーマでお話していきます。

内容としては言語聴覚士さん向けの記事になります。

f:id:keisuke0764:20170120013438j:plain

 

舌の調整というのは、2017年に私が開発した「口腔外からの舌の調整法」の事でして、主に顎の下から瞬間的に舌や舌骨上筋群の緊張、可動域を無痛で調整する特殊な徒手的手技になります。

 

小児歯科医院さんで良くトレーニングされている、舌の前方や上方への可動域

 

声優さんなど声のお仕事をされる方がトレーニングされている、舌の下方への可動域

 

これらがその場で変化していきます。 

 

基本的にその後、機能維持のためのトレーニングも必要なく、もしろ繰り返し反復して目標に合わせたより高い口腔機能を目指していきます。

 

2017年に口腔外からの舌の調整法が産まれてから、健常者でも誰しも抱える舌の問題というのが少しずつ分かってきました。

 

また最近は発音の悩みを抱える子どもさんを小児歯科でみさせて頂くなかで、口腔外からの舌調整法にS-R touchを応用したアプローチを行うことで、その場で発音のしやすさが変化することも可能だと分かってきました。

 

加えて発音の悩みを抱える子どもさんに対して、舌のみへの介入では不十分であることもわかりました。

 

手技が産まれた当初は舌の緊張位置がその場で変化していく点が興味深く、それらにフォーカスしていたのですが、最近は発語や嚥下というレベルでの評価・介入にフォーカスしています。

 

健常者への評価・介入の中からわかってきたのは、「日本語という共通言語を話している健常者であっても、話すときの舌の動きの効率性にはとってもバラツキがあり、母音レベルでも余計な力を入れて発音している方も多い」ということ。

 

その様な方は実際に舌の動きが非効率なだけでなく、

自分の声が嫌い、

呂律がまわりにくく話しにくい、

発音の際に声がかすれる(特に夕方頃)、

などの悩みを抱えられていることもあります。

 

さらに、口腔外からの舌の調整法など幾つかの手技を応用しながら介入を行う事で、何歳であっても比較的短時間で発音のしやすさ、話し声、飲込みやすさは改善可能であるということもわかりました。

(瞬間発音調整:発音のしやすさが一瞬で変わる事を体感する。 - 言語聴覚士 奥住啓祐

  

さて、これまでの記事では主に健常者の発話や嚥下について書いてきたのですが、実は失語症、発語失行を抱える方にも口腔外からの舌の調整法は応用したほうが良い場合がある事が分かってきました。

 

 失語症や発語失行の方でも、舌の筋緊張の問題が表出面に影響しているかの鑑別、そしてそれらの影響がある場合、言語機能の問題がある方であっても、舌の調整によって筋緊張の問題を比較的楽に軽減することができます。

 

なぜなら口腔外からの舌の調整法が非言語的介入という点が大きいです。

舌の調整において、舌の動きなどを口頭で指示を行うことは絶対条件ではないので、ご本人に余計な努力をしてもらう必要がありません。

 

今のところ特に発語失行の影響が強く、入院中の訓練に難渋したような症例であっても、教科書に載っているような訓練方法を行う前に、舌などの緊張の調整を行うことで、短期間での改善を実感しています。

 

舌の緊張が調整されることによって、結果的に呼称など表出面のタスクにおいてエラーが少なくなり、失語症や発語失行の方であっても、その場で良くなるという事を体感できるのです。

 

そういった「今良くなった!」という体験は失語症の方では中々体感できることではないので、成功体験があることでモチベーションのアップにも大きく繋がります。

 

 少し話はそれますが、発語失行の方で母音レベルで努力的な発話の方の場合は、輪状軟骨から、内喉頭筋の緊張を調整することが出来るようになると、舌の調整と同様に言語を介さず嗄声の軽減を図ることが可能な場合があります。

 

なかには内喉頭筋の緊張が緩んだ瞬間、同時に表情筋の緊張や肩まわり、胸郭の動きまで変化された方もいらっしゃいました。

 

頭頚部は上下肢や体幹など全身からの影響を受けますが、この様に頭頚部から全身への介入効果の波及をその場で評価していくと面白い発見があると共に、やはり全身繋がっていることを一人一人のクライアントさんから教えて頂きます。

 

失語症の方の問題点に影響する因子を考えていく際に、この様に構音器官や発声器官の筋緊張の問題を始めに鑑別することはとても重要です。

 

その為には、なるべく簡単に、言語を介さずターゲットとなる筋骨へ介入を行い、その前後で表出面の問題がどの様に変化するかを評価できる必要があると考えます。

 

明日の臨床からすぐできるといった楽に習得できるものではありませんが、STの皆さんに「口腔外からの舌の調整法」「瞬間発音調整」を体感して頂き、驚きとこの手技のもつ可能性を共有できたら嬉しいです♪

 

 口腔研修の詳細はこちらからご確認ください。

https://www.strikingly.com/s/sites/11815327/edit

 

奥住啓祐

 note.mu

  

 

 発語失行と舌の記事 続編

site-1363555-8827-3743.strikingly.com


ちょっと内容は難しいですが

こちらの記事も人気です

site-1363555-8827-3743.mystrikingly.com

 

眼球運動と口唇と舌の繋がり

 

嬉しいことに口腔発達のSkype勉強会のメンバーさんが施術を受けにきてくれたので、

実際に評価-介入-再評価を行いながら、口唇、舌、眼球運動の関連性を見ていくことに♬

 

皆さんご存知のとおり、感覚器官はそれぞれ影響しあっています。

 

現在困っている事に対する問題点の整理を行ったあとは、


実際にそれぞれ介入してみて、介入した部分が変化したあと、

直接介入していないポイントがどう変化しているか、変化していなかで感覚器官やその他の部位との関連性をみていきます。

 

たとえば口唇へ介入したあとの再評価では、舌音も発音しやすくなり、さらに眼球運動もスムーズになったり、

 

眼球運動へ介入することで、口唇が動きやすくなることもあります。

 

また舌に介入して前屈がしやすくなる方もいらっしゃいます。

😊

評価-介入-再評価を繰り返しながら、

 

「体ってこうやって繋がっているんだ。」

「こんなに早く体って変わるんだ。」

 

ということを1つ1つ腑に落としていく。

 

声の力みがとれて、
発音もしやすくなって、
眼球運動もスムーズに。

 

 

これからもっともっと変化していくのでお楽しみに♪

 

 

 

 

 

 奥住啓祐

 

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瞬間発音調整会 in 居酒屋さん

 

昨夜は口腔発達研修会の懇親会で瞬間発音調整会をさせて頂きました。

 

昼間の講義では講師も受講者も素晴らしいメンバーが集まってる中で私は受付♬

 

病的ではないけど、食べることの発達(機能的問題)に困っているのはなんでだろう?

最近そういう悩みを抱えている方が増えているのですが、

実はその問題は出産する前から始まっているようです。

 

最近では赤ちゃんの時から将来の誤嚥性肺炎予防を行うといった話もありますが、

まさに生まれる前、そして小さい時からの発達がとても大切だと私自身知識が繋がってきました。

 

さて夜からの懇親会も鹿児島や浜松の助産師さん、北海道のSTさんやその他歯科の先生方などマニアックな参加者さんが集まり盛り上がりましたね♬

 

今回もその場で1人ずつ話しやすく、食べやすくなるよう、口腔外からの舌の調整法などを応用しながら瞬間調整していきます。

 

美味しい料理とお酒を頂きながらでも出来るこの瞬間発音調整。

今回も皆さん驚きの連続でした。

 

目の前で次々と変化していく、

発音のしやすさ、声の印象、飲み込みやすさ。

 

「何もトレーニングなしでこんなに早く変わるんだ!」

 

それぞれ最初のお口や発音の評価後の予想では、

「話しやすくなるのに1年くらいかかるのでは?」と予想されていました。

 

実際にボイストレーニングでも結構な時間とトレーニングが必要ですから、皆さんがその様に思われるのも当然です。

 

 

 

評価-介入-再評価の流れの中で、刺激に対する反応パターンから、

抱えてる問題の「なぜ?」をどんどん掘り下げていきます。

 

研修の懇親会で行うというのも初の試みでしたが皆さんにも満足して頂けて、私自身とても楽しかったです。

 

今回のご縁からまた全国に呼んで頂けそうで嬉しいです。

 

 

奥住啓祐

 

 

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妊娠と舌のおはなし

 

皆さんこんにちは♪

先日「食べること、話すこと」のFacebookページで、妊娠と舌についての記事を書きました。

 

今日はその内容をもう少し分かりやすく書いていきます♪

 

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全身には約600個の筋肉があり、もちろん口の中にある舌も筋肉です。

 

筋肉はそれぞれ持っている機能があり、

例えば筋力、巧緻性、敏捷性などがあります。

 

 

ただし私たちが日常生活で発揮できている筋機能というのは何らかの影響で、

本来発揮できる筋の機能を発揮できない状態になっている場合が多いです。

 

たとえば姿勢の影響やストレスの影響など影響因子は様々です。

 

 

実際にそれらを検証するのは意外と簡単でして、

身体へのアプローチや意識の仕方を変えることで、

 

本来持っている機能を発揮できるようになると、

重いと感じた鞄を軽く感じるようになったり、

物に触れた時の質感を手から感じやすくなったりと、

 

「私ってこんなに力があったんだ!」

というのを体感する事ができます。

 

 

 全身の筋はアスリートの様な素晴らしいパフォーマンスも行える一方で、

硬くなって本来持っている力を発揮できない場合もあり、

 

その人の今の状態によって発揮できる機能にはばらつきがあります。

 

 

日ごろ外界からの情報をキャッチする目、皮膚、耳、舌などの感覚器も同様に、

人によってどれだけ機能を使えているかは異なり、

 

多くの方にまだまだ伸びしろがあるんです。

 

 

例えば舌の機能で考えてみると、
健常者であっても、立っているだけでも舌が頑張ってしまっている場合もあれば、反対に舌が積極的に体のバランスをコントロールし、舌の微妙な変化で相手を投げちゃうなんて達人もいらっしゃいます。

 

 

舌は体のバランス機能にも影響している可能性があるんですね。

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猫背が気になっていた子どもさんで、口腔外からの舌の調整をした後、

舌が楽に上顎につくようになり、その後、徐々に姿勢が良くなってきたという報告も何例か頂いており、舌の大切さを日々感じています。

 

 

そんな素晴らしい可能性を秘めた舌ですが、赤ちゃんから高齢者まで年齢関係なく

 

非効率な舌の使い方をしている方も多くいる。

 

ということに、沢山の健常者の舌を見るなかで分かってきました。

 

 

例えば発音している時に舌が頑張りすぎている方は健常者であっても多く、

 

日常生活において呂律がまわりにくいと感じている方の場合は特に顕著であると考えています。

 

そういう方は、口腔外からの舌の調整を行いながら評価をしていくと、

どんどん話しやすくなっていく不思議体験ができます。

 

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

 


さて以前、妊婦さんとの立ち話の流れで、

「首も肩も痛くて挙がらない」という相談を受けたことがあります。

 

けっこうこの悩みは多いですよね。

 

早速、何が影響しているのかを評価するため、

まず立位のまま、上肢のポイント2か所に、一瞬触れて、

再度手を挙げてもらうと、不思議と肩の痛みはなくなったのですが、首の問題は残存。

 

 

以前、助産師さんから、妊娠後期では舌の位置が下がる方がいると聞いたのを思い出して、早速、口腔機能を評価してみると、

 

やはり舌の位置は下がっており、上顎へ舌がつきにくくなっているのが分かりました。

 

 

ただし、これだけでは舌の問題があると分かっただけで、首の痛みや動かしにくさとの関連があるかは分かりません。

 

 

そこで舌と頸部の関連を評価するため、

立位のまま口腔外からの舌の調整を行い、開口時でも舌がしっかり高い位置となったのを確認し、再度頸部の評価をしてみると、

 

頸部の痛みはなくなり、首が自由にまわるようになっていました。

 

 

また口腔内の評価から、妊娠前から舌の位置の問題はあった可能性があり、

妊娠前からの問題と、妊娠以降のお腹が大きくなるに伴う姿勢の変化の影響とが混在している可能性があるなと考えました。

 

妊娠中は自分の体がどんどん変化していき、

出産後は赤ちゃんの体が日に日に大きくなっていく。

 

そんな急激な変化に対して無理なく体が適応していくためには、

 

やはり理想は妊娠前から口腔機能を含め、体をしっかり整え、

妊娠以降も口腔機能を含めた体の変化をしっかり追っていき、

 

体の不調に繋がるような変化は早めに介入して対応できると、妊婦さんもかなり楽になるだろうなと感じています。

 

 

~舌からの影響、舌への影響~


目の前で見ている頭頚部の状態は、舌からの影響と舌への影響が混在した結果でとても複雑ですが、

 

丁寧に評価-介入-再評価を繰り返していくことが大切ですね♪

 

そして歯科医師、歯科衛生士、助産師、言語聴覚士、保育士など、様々な専門職の方が、食べること、話すことについてや、舌を含めたお口の事を学び、赤ちゃんから高齢者までサポートできるよう全国で活動していきます。

 

 

奥住啓祐

 

 

 

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発音のしやすさが一瞬で変わる事を体感する。

雪も降り、とても寒い日が続きますね。

 

そんな寒さに負けず、今年の1月から5月までケアマネさんの研修が殆ど毎週あるため、私も多くの方と勉強させて頂いてます。


先日からはグループワークも始まり、だんだん楽しくなってきました♪

 

毎回グループメンバーは変わるのかな?と思っていたら、

なんと今回のグループメンバーは5月まで変わらない!

 

しかも日ごろSTさんとあまり関わっていない方ばかり♪

 

それなら皆で楽しく勉強しましょう!

 

ということで!

 

お昼休憩の時にグループメンバーで瞬間発音調整会を行いました。

 

f:id:keisuke0764:20180205140456j:plain

 

その名の通り、

話すときの構音器官の効率性(動きの質)を評価しつつ、

 

その場で介入していき、

瞬間的にどんどん話しやすくなってもらいます

 

10分トイレ休憩の時間くらいで出来ちゃうくらい早いです。

 

まずは発音する際の効率性を評価していくのですが、

 

例えば、日本語の5つの母音

「あ、い、う、え、お」

 
実はこれだけでも人によって、

発音の効率性に大きくバラツキがでます

  

同じ音を発音する時でも、

その音を発音する時の仕方、戦略が微妙に違うんです。

 

 

ちょっと余談ですが、

日本語の場合は「子音+母音」という事が特徴の1つになります。

もし「う」の音を発音する時にとても非効率な舌の使い方をしていた場合、

「く」や「る」などの「う」が子音につく音を発音する音の効率性も見ていくと、

分析が楽しくなります♪

 

 

さて、特に病気などされていない方であっても、

 

実際に舌の動きが非効率なだけでなく、

自分の声が嫌い、

呂律がまわりにくく話しにくい、

発音の際に声がかすれる、

など困っている方は意外と多くいらっしゃいます。

 

また大人だけでなく、赤ちゃんや子どもさんにもお口の問題ってたくさんあって、

小さい時のお口の問題って、そこから色んな面にも波及します。

 例えば赤ちゃんや子どもの時の舌の問題は、その後の歯並びにも大きく影響するそうです。

  

 

今回は日常生活で実際に自分の声に関して悩みを抱えている方瞬間発音調整を行いました。

 

 

なんと素晴らしいことに、

日ごろのトレーニングとして、あいうべ体操をされているそうですが、


評価していくとリラックスしている時でも舌、舌骨上筋群の緊張は高く
舌の挙上も提舌もかなり頑張ってされていました。

 

舌を上顎に設置した状態で開口しようとしても上下の歯が全く離れない状態。

これって舌の上顎への設置を頑張って行っている方に多い印象です。

 

そういえば、最近お会いした歯科の先生方の中でMFT(口腔筋機能療法)をご自分でされている方も多くいらっしゃいましたが、

 

実際に舌の動きを評価してみると、

 

口腔器官が努力的な動きとなっている場合が多いなと感じています。

 

 

あいうべ体操MFTも個人的には素晴らしい取り組みだと考えています。

多くの方がトレーニングとして取り組まれているからこそ、

特にもともと口腔器官の動きの非効率性がある方の場合は、

しっかりと動きの質を評価して練習していく必要があると思います。

 

皆さんの舌や口唇は「楽に、自由に、効率よく」動けていますか?

意外と自分の事って分からないものですが、

 

出来ている、出来ていないではなく、

しっかりと動きの質を見ていきたいですね♪

 

私自身が口蓋化構音で大変な発音の矯正を行ってきた経緯がある分、

不必要な努力はしないでいいように、

その方らしさが発揮できる所で頑張ってもらえるようと考えた結果、

口腔外からの舌の調整法を始めとする今の介入スタイルができました。

 

 

 

さてまた脱線しちゃいましたが、実際の介入では

 

モデルの方に椅子に座って頂いた状態で、

一切痛みなく、瞬間的に各タスク時における舌の効率性を高めていきます

 

日常生活において、呂律がまわりにくいと感じているほど、

驚くような不思議体験ができます♪

 

主に口腔外からの舌の調整法をフル活用し、

10分ほどの介入でしたが、


舌は楽に口腔外へ出せるようになり、
舌を上顎へ設置した状態で指1.5本分くらい開口可能に。

 

また母音発話時の努力性は殆どなくなりました


気付いたらほうれい線も減っていましたね♪

 

舌の問題を含め、

食べること、話すことに関する悩みって、QOLを下げる要因にもなる問題なのですが、

 

何歳であっても意外と簡単に解決する場合も多いです。

 

 

これから5月まで、グループメンバー皆さんの口腔機能を高めていきながら、

言語聴覚士のこと、食べること、話すことについて共有していきたいと思います。

 

今回もかなり盛り上がりまして、
何度も「STってすごーい!」という言葉を頂きました♪

 

こうやって将来地域で活躍されるケアマネさん方に、

言語聴覚士の事を知って頂けると嬉しいです。

 

 

また、この様に動きの質を評価し、効果的な介入が出来る専門家が増え、

 

病気の有無に関わらず、赤ちゃんから高齢者まで、

食べにくい、呂律がまわりにくい、声がかすれる、ガラガラ声など、

食べること、話すことに関して困っている方が生きやすくなるよう

 

全国飛びまわりながら、

困っている方のサポートや講師活動を通して、貢献していきます。

 

 奥住啓祐

 

 

こちらの記事もおススメ♪

st-keisuke.hatenadiary.jp

 

 

追記:

構音障害の勉強のために昔購入した本が行方不明で再度購入することに。

これも分かりやすくて好きな本です♪

構音障害の指導技法―音の出し方とそのプログラム

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